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めまい

最近、めまいをすることが多くなりました。
それと同時に耳鳴りがして、気分が悪くなります。

めまいや耳鳴りといっても症状はさまざまある。 上記の例では、メニエール病である可能性が高い。

メニエール病は、激しいめまいとともに耳鳴りや難聴が同時に現れるのが特徴。 症状が軽いと放置してしまいがちだが、実は受診が早ければ早いほど治りやすい病気。

めまいの症状から考えられる病気

めまいには、クラクラする、フラフラする、立ちくらみがするなど、いろいろなタイプがある。 これらのめまいは、

などがあり、疲労や貧血、妊娠などによってもめまいを起こす場合もある。

また、内耳(耳の内側)のトラブルに起因するめまいも多い。 特に今回取り上げる「メニエール病」は、30代以降の女性によく見らる。

メニエール病

メニエール病とは、内耳に障害が起きることによって、めまい、耳鳴り、難聴、嘔吐などの症状がある病気。 頭痛や肩こりなど、自律神経症状を伴うこともある。

初期の頃は、グルグルとした回転性のめまいがあり、やがてそれが慢性化するとフラフラとした浮遊感のあるめまいに移行するのが特徴。

メニエール病は、なんらかの原因により内耳が水ぶくれになること(内リンパ水腫)で起こると考えられている。

耳の構造図です

耳は外側から外耳、中耳、内耳と分かれている。 最も奥深くにある内耳には、平衡感覚を感じとる三半規管や音を感じる蝸牛管(かぎゅうかん)の感覚細胞があり、隣接して互いに影響しあっている。

この部分は、常に内リンパ液で満たされている。 この内リンパ液の循環がとどこおると、蝸牛管の感覚細胞が膨らんで三半規管に影響を与える。 その結果として耳鳴りや難聴、激しいめまいなどを引き起こす。

メニエール病にかかりやすい人

メニエール病が起こる原因は、今のところまだよくわかっていない。 ただ、ストレスが大きく関係しているといわれ、神経質なタイプや几帳面なタイプ、多忙な毎日を過ごしている人がなりやすいという説がある。

患者数を見ると、男性よりも女性に多い。 特に30代以降のキャリアウーマン的な年代に多いことがわかっている。

メニエール病の検査

めまいで不安を感じたら耳鼻咽喉科またはめまい外来の受診を勧める。 問診では、めまいの種類とそれに伴う症状を尋ねる。 めまいの種類については次の状態を参考にする。

動揺型
地に足がつかないような、フラフラするめまい。
船酔いのような感覚。
失神型
急に目の前が暗くなる。
気が遠くなる。
目がチカチカする。
回転型
周囲または自分がグルグルまわる。
建物が自分に向かって倒れ込んでくる。

また、めまいの起こり方についても、頻度やめまいの続く時間、だんだんひどくなっているかどうか、めまいの種類が変化しているかどうかなどが尋ねる。

そして、血圧測定、聴力検査、体のふらつきを見る検査、眼球の運動を観察する検査、MRIまたはCTスキヤンなどを行い、めまいの原因や病気の程度を判定する。

また必要に応じて、神経内科、循環器内科、心療内科などで詳しい検査を行うのが望ましい。

メニエール病の治療法

内リンパ水腫(内耳が水ぶくれ)の原因がはっきりとわかっていないため、根本的な治療法はまだ確立されていない。

現在は、浸透圧利尿剤や循環改善剤、ビタミン剤などによって内耳の水分代謝・循環をよくしたり、感覚を正常に戻したりする薬物療法が一般的。 ほかに、漢方薬、鍼治療などによって効果が得られることもある。

前述の治療法で効果があらわれず、めまいの症状を繰り返す場合には、外科的な治療が必要になる。

最も一般的な方法としては、感覚器を袋状に包んでいる「内リンパのう」の膜を切開し、内リンパ液を出して水腫を軽くする方法。 この治療によって、8割以上の患者はめまいを起こさなくなる。

メニエール病を防ぐ注意点

メニエール病はストレスなどが誘因となることが多い。 それを防ぐためには、無理のない生活を送り、睡眠不足を避けるようにする。 適度な運動や趣味などによる気分転換も効果的。

食事面では、塩分や水分の取り過ぎに注意する。 体内に水分がたまりやすくなり、内リンパ水腫にも関係する可能性がある。

その他、喫煙も控える。 喫煙は毛細血管を収縮させ、血液の流れを悪化させる。 当然、内耳への血流も悪くなってしまい、めまいが引き起こされることがある。 タバコは吸わないようにするのが無難。

メニエール病は、強いめまい発作を起こすが、命にかかわるものではない。 あまり神経質にならず、気長に構えることも必要といえる。

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