更年期障害
激しい動悸や理由のない疲労感に悩んでいます。
更年期障害のせいでしょうか?
女性であれば誰もがいつか迎える更年期。 このときあらわれる体の変調は、より豊かな老年期を送るための準備のようなもの。 深刻に考えすぎず、ポジティブな気持ちで乗り越えたい。
更年期障害とはどんな病気か?
「更年期」とは、閉経を中心とした前後10年間(45〜55歳くらい)の期間のこと指す。
女性の卵巣機能は、40代前半頃から、閉経に向かって徐々に衰え始める。 卵巣機能が低下すると、女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減少するため、さまざまな体調不良が起こりやすくなる。
エストロゲンの低下によって、体全体の機能をコントロールしている自律神経までもが本来のリズムを失い、ほてりや冷えなどの症状を引き起こす。
以上のように、エストロゲンの分泌量が低下することで起こる、更年期の不快な症状をまとめて「更年期障害」という。
更年期障害の症状にはどのようなものあるか?
更年期障害であらわれる症状は多岐にわたる。 主に次のようなものがあげられる。
- 体感調節の障害
のぼせ、ほてり、多汗、冷えは更年期に最も多い症状。 自律神経が乱れることで体温調節が上手くいかなくなるのが原因。
- 動悸・息切れ
理由もなく、突然激しい動悸や息切れを起こす。 これも自律神経の失調が原因。
- 疲労感・倦怠感
更年期障害の約7割弱の人にあらわれる。 エストロゲンの減少による症状。
- 神経的な障害
頭痛やめまい、不眠、耳鳴り、不安感や圧迫感などが起こる。
更年期の症状を自己チェック
症状の程度に応じて、軽い気持ちで自己採点してください。
症状 | 強 | 中 | 弱 | 無 |
---|---|---|---|---|
手足や腰が冷えやすい | 14 | 9 | 5 | 0 |
寝つきが悪い、眠りが浅い | 14 | 9 | 5 | 0 |
息切れ、動悸がする | 12 | 8 | 4 | 0 |
怒りやすく、イライラする | 12 | 8 | 4 | 0 |
顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 |
汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 |
くよくよしたり、憂患になる | 7 | 5 | 3 | 0 |
頭痛、めまい、吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 |
肩こり、腰痛、手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 |
0〜25点 異常なし
26〜50点 食事や運動に注意する
51〜65点 更年期・閉経外来を受診する
66〜80点 計画的な治療が必要
81〜100点 精密検査や長期の計画的な対応が必要
病院ではどんな検査をするのか?
更年期障害では、あらわれた症状が更年期障害によるものなのか、ほかの病気によるものなのかを正確に見極めなければならない。
まずは問診を行い、どのような症状が見られるかを確認する。 発症の時期や症状の程度、月経の状態などを細かく尋ねる。
さらに内診をして、子宮筋腫や子宮内膜症など、更年期障害以外の病気の有無を調べる。 また、経腔超音波内診による卵巣の異常をチェックする検査も行う。
更年期は、がんになりやすい年齢でもあるため、子宮がんの検査を行うこともある。
次に行われるのが自律神経機能検査。 これは体の一部を刺激したときの血圧や心拍数の変化、姿勢を変えた場合や手を冷水に入れたときの血圧の変動など、目的に応じた検査方法で行われる。
また、血中のホルモン量を調べるために血液検査も行う。 この検査では、生活習慣病が隠れていないかどうかも、同時に確認することができる。
治療法にはどんなものがあるか?
現在、更年期障害の治療法として注目を集めているのが「ホルモン補充療法(HRT)」。 ホルモン補充療法は、飲み薬や注射、パッチ剤等でエストロゲンを補充し、更年期に起こるホルモンの減少をゆるやかにする。
更年期障害の根本的な原因に直接働きかけるので、多彩な症状への効果が期待でき、即効性が得られることが特徴。
しかし、最近行われた調査では、ホルモン補充療法を5年以上続けると、乳がんの発生率が高くなることが明らかになった。 そのため現在では、更年期障害の症状が改善された段階で、ホルモン補充療法はやめるべきとされている。
他に、「漢方療法」が取り入れられることもある。 漢方薬を摂ることで体の変化に対応する力を高め、症状の改善を目指す。
火照りや動悸など自律神経の乱れからくる症状が強い場合には経調整胞を取り入れる。 イライラや不安感などの症状がひどい場合は、向精神薬(人眠剤、精神安定剤など)を取り入れたり、カウンセリングを行う。
ほとんどの更年期障害は、症状が一定ではなく、個人差が大きい。 「どの治療法が適切であるか?」の判断は、産婦人科医と相談して決める事が望ましい。
日常生活での注意点
更年期障害の症状を悪化させる原因の一つである自律神経の乱れを解消するには、心の問題を取り除くことが大切。
更年期は老いに向かう時期である。 それと同時に、親の介護、子供の自立などにより生活が変化する時期でもある。
そのため、気持ちが不安定になる人が多い。 あまり神経質にならず、前向きで健やかな生活を心がけたい。
体に負担の掛からない運動も有効。 軽い症状であれば、運動によってかなり改善されるケースもある。 そのほか、自律神経のバランスを整えるローヤルゼリーの摂取も効果的と言われている。
更年期は、老年期へ向かって体が変化してゆく一つの課程。 時間が経てばホルモンの分泌量が少ない状態にも徐々に慣れ、不快な症状は確実になくなっていく。
命に関わる重大な病気ではないので、暗くならずに治療に取り組みたい。
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